ECサイト運営では、問い合わせ対応や在庫管理など日々の事務作業に追われ、売上アップにつながる活動まで手が回らないことがあります。営業ツールを活用すれば、こうした管理業務の自動化や営業状況の可視化が可能となり、マーケティング施策やサイトデザイン改善などにより多くの時間を割けるようになります。
本記事では、ECサイトにおすすめの営業ツールを複数紹介します。営業ツールの導入を検討している場合は参考にしてください。
営業ツールとは
営業ツールとは、生産性向上を目的として、販売管理や顧客管理など営業活動に関わる業務をサポートするシステムやソフトウェアの総称です。SFA(Sales Force Automation)ツールと呼ばれることもあります。
EC事業にも営業ツールを導入することで、ECサイトの管理機能だけではカバーしにくい業務も効率化できます。なかには、ECプラットフォームと連携して、データの取り込みなどを自動化できるツールもあります。

ECサイトに最適な営業ツール8選
1. 顧客管理ツール
顧客管理ツールとは、顧客情報や過去のやり取りを一元管理するツールを指します。CRM(Customer Relationship Management)と呼ばれることもあります。
EC事業では、成長するにつれて顧客情報や問い合わせ数が増え、情報の管理が課題となっていきます。顧客管理ツールを活用することで、顧客の連絡先、購入履歴、問い合わせ内容などをまとめて管理できます。
また、複数の販売チャネルを利用している場合でも、これらの情報を分散させずに一元管理できます。顧客情報や対応履歴をチーム内で共有しやすくなるため、対応漏れや業務の属人化も防ぎやすくなります。
顧客管理ツールの例
- HubSpot Smart CRM(ハブスポットスマートCRM):AIを活用した情報の整理や分析をはじめ、豊富な機能を備えた顧客管理ツールです。顧客情報やメールのやり取りを自動で取り込むことができ、多くの外部アプリとも連携可能です。
- Stock(ストック):情報共有のしやすさに強みを持つ顧客管理ツールです。顧客とのやり取りや社内メモなどをノート形式で保存でき、タスク管理もあわせて行えます。操作画面はシンプルで、スマートフォンやタブレットからの使いやすさも特徴です。
- カスタマーリングス:ECサイトやB2Cサービスでの利用に特化した顧客管理ツールです。ECカートや実店舗などに分散した顧客データを一元管理できます。顧客データの分析機能も備えており、マーケティング施策の立案にも活用できます。
2. マーケティングオートメーションツール
マーケティングオートメーションツール(MAツール)とは、商品・サービスの販売促進やリード獲得に関わる業務を自動化するツールを指します。
特に、クーポン配布や見込み顧客へのフォローメールなど、決まったタイミングで継続的に行っていく施策に効果を発揮します。配信設定やスケジュール管理などの負担を減らせるため、限られた人員でも施策を進めやすくなります。
また、あらかじめ設定した条件に応じて施策を自動で実行できるため、対応の抜け漏れを防ぎやすくなります。担当者ごとの差も出にくくなるため、施策の再現性を高めたい場合にも役立ちます。
MAツールの例
- うちでのこづち:eコマースに特化したCRM/MAツールです。購入回数や最終購入日などを条件に、メールやLINEなど複数チャネルを組み合わせたアプローチ施策を自動的に実行できます。
- カスタマーリングス:デジタルマーケティング領域の幅広い機能を網羅したツールです。MA機能では、購買履歴やウェブ閲覧履歴をもとにメールなどを配信するシナリオを、ドラッグ&ドロップの直感的な操作で設計することができます。誕生日配信やカゴ落ちフォローアップなどの自動化にも対応しています。
- オムニセグメント:AIによる分析を活用し、顧客ごとに適したタイミングやチャネルでのコミュニケーションをサポートするMAツールです。20種類以上のベストプラクティスシナリオが標準搭載されているほか、複数のトリガーや条件を組み合わせることも可能です。
3. EC自動化ツール
EC自動化ツールとは、オンラインストア運営で発生する定型業務を自動化するツールです。在庫管理、受注処理、会計処理などを効率化できます。
注文対応や会計情報入力などの反復作業は、手作業では負担が大きくなりがちです。EC自動化ツールを活用することで、作業時間を短縮しながら、入力ミスや対応漏れを防ぎやすくなります。これにより、限られた人員でも日々の運営業務を安定して進められるようになります。
さらに、一度自動化に取り組んでおけば、注文数や取扱商品数が増えた場合でも運営をスムーズに続けやすくなります。
EC自動化ツールの例
- Shopify Flow(ショッピファイフロー):Shopifyに標準で備わっている業務自動化ツールです。コーディング不要で、不正注文の対応やフルフィルメント管理など、さまざまな反復業務を自動化できます。
- SHIPPINNO(シッピーノ):さまざまなECプラットフォームの受注処理と、倉庫からの出荷や物流サービスの発送依頼を自動連携できるツールです。簡単な設定で利用を開始でき、SKU数が少ない場合は1時間ほどで完了する場合もあります。
- かんたんfreee(フリー)会計データ連携:Shopifyの注文データをfreee会計に連携できるアプリです。注文情報を自動または手動で記帳でき、決済手数料や送料、割引などを別の勘定科目で処理できます。
4. 日程調整ツール
日程調整ツールとは、複数の人物が参加する会議や商談などの予定調整を効率化するツールを指します。候補日時の提示や予約受付をスムーズに進めやすくなり、調整にかかる手間を減らせます。
また、顧客側も空き時間を確認しながら日程を選びやすくなるため、利便性向上に役立ちます。調整業務の負担を抑えながら、機会損失の防止にもつながります。
日程調整ツールの例
- 調整さん:URLを共有するだけで日程調整ができるツールです。候補日を入力して出欠表を作成でき、参加者の希望日時を一覧で管理できます。アカウント登録なしで無料で使えるほか、業務利用向けの有料プランも提供されています。
- TimeRex(タイムレックス):カレンダーツールと連携して日程調整を自動化できるツールです。候補日の作成から予定登録までを自動化できるほか、複数人での日程調整や、オンライン会議URLの自動発行にも対応しています。
- 調整アポ:法人向けの日程調整ツールです。連携したカレンダーをもとに参加メンバーの空き日時を自動で抽出し、専用URLを共有して調整を進められます。確定した予定の自動登録やリマインドメールの送信にも対応しています。
5. アクセス分析ツール
アクセス分析ツールとは、ECサイト上のユーザー行動情報を収集・整理するツールを指します。アクセス数や離脱率、流入元ごとのコンバージョン率などのKPIを把握するうえで役立ちます。
アクセス分析ツールを活用することで、データをもとにECサイトのパフォーマンスを評価できます。これにより現実的な目標を立てたり、販売導線やサイトデザインの改善といった施策を立てることができます。
広告やSNS投稿など、異なるマーケティングチャネルからの流入を分析し、どの施策が成果につながっているかを把握することで、自社商品と相性の良い集客施策も見つけやすくなります。
アクセス分析ツールの例
- Google(グーグル)アナリティクス:Googleが提供する無料のアクセス分析ツールです。顧客単位の行動把握や、Google広告・Googleサーチコンソールとの連携にも対応しています。
- Shopifyアナリティクス:Shopifyに標準搭載されたアクセス分析ツールです。顧客の流入元、注文、売り上げ、在庫状況などをレポートやダッシュボードで確認できます。
- Clarity(クラリティ):Microsoft(マイクロソフト)が提供する無料のウェブ解析ツールです。ヒートマップやユーザー行動の録画機能により、サイト上でのクリックやスクロール、離脱の要因などを把握しやすくなります。
6. チャットサポートツール
チャットサポートツールとは、ECサイト上で顧客からの質問に対応するためのツールです。チャットボットで自動応答するタイプ、有人チャットで個別に対応するタイプ、対話型AIを活用するタイプがあります。
チャットサポートツールを導入することで、購入前の質問や配送状況の確認などをチャット形式で受け付けられます。顧客が必要な情報をすぐに確認しやすくなるため、顧客満足度の向上につながります。
また、定型的な質問を自動で案内することで、対応負担を抑えられます。優先度の高い問い合わせだけをスタッフが個別に案内すれば、業務負荷を抑えながらカスタマーサポートの品質向上を実現できます。
チャットサポートツールの例
- Shopify Inbox(ショッピファイインボックス):Shopify公式が提供する無料のチャットアプリです。Shopifyストア上にチャットを設置し、顧客がカートに追加した商品などを確認しながら対応できます。機能はシンプルで、導入しやすい点が特長です。
- Zendesk(ゼンデスク):社内のナレッジベースなどをもとに、AIエージェントによる自動応答が可能なカスタマーサービスプラットフォームです。メールや電話、SNSなど多彩なチャネルを通じた問い合わせ管理やサポート業務を一元化できる点が特長です。
- PKSHA ChatAgent(パークシャチャットエージェント):AIによる自動応答に強みを持つチャットサポートツールです。定型的な問い合わせに24時間365日対応できるほか、応答内容のチューニングやメンテナンスを簡単に行えるダッシュボードを備えています。
7. SNS管理ツール
SNS管理ツールとは、複数のSNSアカウントへの投稿などをまとめて管理するためのツールです。Instagram(インスタグラム)やTikTok(ティックトック)などを活用したSNSマーケティングの運用負担を減らせます。
たとえば、投稿予約を行うことで、スケジュールに沿った発信を進めやすくなります。ユーザーの反応を数値で把握できる分析機能を活用することで、施策の見直しにも役立ちます。
また、コメントやDMを通じた顧客対応を整理しやすくなる点もメリットです。SNS上でのやり取りを把握しやすくなるため、返信漏れを防ぎながら、顧客との関係強化にも役立ちます。
SNS管理ツールの例
- Social Insight(ソーシャルインサイト):SNS運用と分析を一元管理できるツールです。投稿予約、コメント管理、効果測定までまとめて行えます。キャンペーンに役立つ応募者データの収集や当選連絡の自動化にも対応しています。
- Status Brew(ステータスブリュー):SNSやニュースサイト、ブログなどオンライン上の反応を横断してモニターできるツールです。複数チャネルの投稿運用やモニタリング、分析、レポート作成にも対応しています。
- comnico Marketing Suite(コムニコマーケティングスイート):SNS運用の効率化に役立つツールです。投稿予約や分析機能だけでなく、コメント管理機能も備えているため、対応漏れの防止にも役立ちます。
8. 生産性向上ツール
生産性向上ツールは、スタッフ間のコミュニケーションやタスク管理などの業務を円滑に進めるためのツールを指します。売り上げに直結しないものの、日常的に発生する業務をスムーズに進めるうえで役立ちます。
EC事業では、受注関連の確認や販促施策の準備などを並行して進める場面が多く、担当者同士の連携が遅れると作業全体に影響することもあります。生産性向上ツールを活用することで、連絡や確認にかかる時間を短縮しながら、業務の進み具合を共有しやすくなります。
また、社内コミュニケーションの行き違いやタスクの見落としを減らせます。確認漏れや対応の遅れを防ぎやすくなるため、日々の運営業務をより安定して進められます。
生産性向上ツールの例
- Slack(スラック):チャンネルごとに会話やファイルを整理できるビジネスチャットツールです。外部ツールとの連携やワークフロー機能も備えているため、情報共有や定型業務の効率化にも役立ちます。
- Trello(トレロ):カンバン方式のタスク管理ツールです。担当者や期限、チェックリスト、コメントなどをカードにまとめて管理できます。操作も直感的で、複数人での進行管理にも向いています。
- Zoom(ズーム):無料で始められるビデオ会議ツールです。URLを共有するだけで参加案内が可能で、ミーティングやテレワークなど幅広い場面で活用できます。画面共有や録画機能に加え、会議内容の要約を支援するAI機能も利用できます。
まとめ
営業ツールを活用することで、ECサイト運営における顧客管理、販促、問い合わせ対応などの業務を効率化できます。これにより、時間や予算を売り上げにつながる施策により集中させることができます。
重要なのは、多機能なツールを広く導入することではなく、自社の課題に合うものを選ぶことです。まずは、現場の負担が大きい業務を洗い出し、導入効果の高いツールから検討を始めましょう。
ECサイトの営業ツールに関するよくある質問
営業ツールとは?
営業ツール(SFA)とは、ビジネスにまつわる業務を効率化するためのツールです。顧客情報の管理、問い合わせ対応、定型業務の自動化などに活用されることが多いです。
ECサイトにおすすめの営業ツールは?
ECサイトにおすすめの営業ツールは主に以下の様なものがあります。
- 顧客管理ツール
- マーケティングオートメーションツール
- EC自動化ツール
- 日程調整ツール
- アクセス分析ツール
- チャットサポートツール
- SNS管理ツール
- 生産性向上ツール
文:Hisato Zukeran





