アイデア次第でさまざまな作品を制作できるクリカット(Cricut)は、趣味として楽しむだけでなく、ハンドメイド副業にも活かせます。そこでまず押さえておきたいのが、ハンドメイドで売れるものを具体的に把握することです。
本記事では、クリカット作品のビジネスアイデアと、販売する際に押さえておきたいポイントを紹介します。趣味を活かした起業を検討している方は参考にしてください。

クリカットとは
クリカット(Cricut)とは、専用アプリのDesign Space(デザインスペース)で作成したデザインをもとに、さまざまな素材を高精度でカットできるカッティングマシンです。たとえば、紙やビニールを使ってステッカーやカードを制作できます。
クリカットビジネスとは
クリカットビジネスとは、クリカットで制作した作品を、商品として販売する事業のことです。クリカット本体とインターネット環境さえあれば、ハンドメイド販売サイトなどを活用し、初心者でも気軽に始められます。特に、ものづくりが好きな人にとっては、お金になる趣味として楽しめる点も魅力です。
クリカットビジネスアイデア8選
1. 結婚式用グッズ
結婚式場の雰囲気づくりに使われるアイテムは、既製品では表現しにくい特別感が求められるため、ハンドメイド商品の需要が高いジャンルです。
たとえば、レース調にカットした紙を招待状の装飾として重ねたり、座席用のネームカードをデザインに合わせて切り抜いたりすることで、立体感と華やかさを演出できます。
また、受付に設置するウェルカムボードでは、新郎新婦の名前や結婚式当日の日付、「Welcome」などの文字を切り抜いたパーツとして制作し、アクリル板や鏡に貼り付ける特別感のあるデザインがおすすめです。結婚式後もインテリアとして使える点は、購入を後押しする魅力のひとつです。
2. ステッカーとラベル
ステッカーやラベルは価格帯が手頃で用途も幅広いため、安定した需要が見込めるアイテムです。デザインやサイズを柔軟に調整できることから、既製品では対応しにくい用途にも応えやすく、商品として差別化しやすい点が特徴です。
たとえば、動物のシルエットを模したステッカーは、子ども向けアイテムやペット関連グッズとして、幅広い用途があります。シンプルなシルエットデザインであれば流行に左右されにくく、定番商品として継続的な販売も期待できます。
調味料ラベルは、砂糖や塩などの調味料名を明記し、あわせて保存日を書き込めるデザインにすることで、整理整頓を目的とした需要が見込めます。家庭用だけでなく、カフェや小規模飲食店向けに展開することも可能です。
3. パーティー用品
パーティー用品は、イベントの内容に合わせたメッセージや装飾を自由にカットして作れる点で、ハンドメイドと相性の良いジャンルです。
たとえば、誕生日パーティーでは、「Happy Birthday」などの文字を切り抜いたケーキトッパーが定番アイテムとして人気があります。デザイン自体は共通のまま、メッセージを差し替えるだけで、退職祝いなどのイベントにも対応できます。
4. カスタムギフト
カスタムギフトは、オーダーメイドで相手に合わせたデザインを提供できる点から、ハンドメイドの需要があるジャンルです。
たとえば、カスタムマグカップは、日常的に使える実用品でありながら、名前やメッセージ、イラストを転写することで特別感のあるギフトとして成立します。誕生日プレゼントや記念品、ノベルティなど、幅広い用途に対応できます。
クリカットでは、専用のマグカッププレスを使うことで、転写シートのデザインをマグカップに均一に定着させられます。そのため、ハンドメイドでありながら品質を安定させやすく、商品として提供しやすい点が特長です。
5. アパレル
アパレルは、既製品ではデザインや色の組み合わせに限りがある一方、ハンドメイドであれば身に着ける人の好みやメッセージを直接反映できる点から、安定した需要があります。
たとえば、アイロン転写ビニールをデザインに合わせてカットし、Tシャツやスウェットに圧着することで、オリジナルのアパレルを制作できます。シンプルなロゴやワンポイントのイラストは日常使いしやすく、色や配置を変えるだけでも印象が大きく変わります。
さらに、団体やイベント用のチームウェアとして提案できるようになると、まとまった注文が見込めるため、売り上げを確保しやすくなります。
6. 小物やアクセサリー
小物やアクセサリーは、デザインや素材感で個性を出しやすく、既製品との差別化がしやすいことから、ハンドメイドならではの価値を伝えやすいジャンルです。
たとえば、フェイクレザーをカットして作るチャームは、バッグやポーチに付ける小物として人気があります。リボン型など立体感のあるデザインにすることで見た目の可愛らしさが際立ち、ギフト向けの商品としても提案しやすくなります。
また、同じデザインを小さめのサイズに調整することで、ピアスやイヤリングなどのアクセサリーとして展開することも可能です。
7. クリカットデザイン
クリカットでは公式のCricut Contributing Artist Program(クリカット コントリビューティング アーティスト プログラム)が用意されています。Design Space上で提供した自身のデザインが他のユーザーに使用されると、報酬を得ることができるものです。プログラムへの参加には審査があり、提出するデザインは定められた条件に沿って作成し、承認を受ける必要があります。
クリカットデザインの販売は、グッズ制作や物販とは異なり、在庫管理や発送作業が不要で、デザインスキルそのものを商品として提供できる点が大きな特徴です。デザインツールを使ってオリジナル作品を制作できる人にとっては、物販に伴うリスクを抑えながら収益化を目指せる、現実的な選択肢となります。
8. ホリデークラフト
ホリデークラフトは、季節イベントに合わせて特別感のあるアイテムを求める需要と相性の良いジャンルです。価格よりデザイン性や雰囲気が重視される傾向があるため、ハンドメイド作品ならではの価値を伝えやすい点が特徴です。
たとえばハロウィン向けに、おばけやかぼちゃ、モンスターなどのモチーフを紙でカットすることで、キャンディやスナックに取り付けるペーパークラフトを作成できます。市販のお菓子にひと手間加えるだけで特別感を演出できるため、保護者やイベント主催者からの需要を見込めます。
デザインやカラーを変えるだけで毎年新作として展開できるため、期間限定商品として販売しやすく、リピート客の獲得にもつながります。
クリカットビジネスを始める際の考慮事項
コストの把握
クリカットビジネスで利益を出すためには、商品1点あたりにかかる生産コストと配送コスト、そして自身の作業時間を正確に把握したうえで価格を設定することが重要です。
たとえば、材料費や梱包資材、送料といった直接的なコストのほか、販売方法によってはマーケットプレイスの販売手数料や売り上げの振込手数料が発生します。また、制作に要する時間を考慮せずに価格を決めてしまうと、作業量に対して利益が見合わないケースも起こりがちです。
これらのコストと作業時間を事前に整理しておくことで、感覚ではなく根拠に基づいた価格設定が可能になります。
販売チャネル毎の特徴
販売チャネルは「どのような商品を制作するか」や「どの価格帯で販売するか」にも影響を及ぼす重要な要素です。かかる費用やアプローチできる市場が異なるため、ビジネス全体の方向性に合った販売先を選ぶ必要があります。
たとえば、クラフトフェアやイベントに出店する場合は、気軽に立ち寄る来場者が多いため、手ごろな価格帯の商品が選ばれやすい傾向があります。一方、eコマースでは、Shopify(ショッピファイ)を使った自社ECサイトの構築や、Etsy(エッツィー)などのマーケットプレイスを通じて、特定のデザインや用途を目的に探している購入者にアプローチできます。そのため、価格の高低よりも商品内容や独自性が重視される傾向があります。
それぞれで発生する費用や顧客層を比較し、制作できる商品に合った販売方法を選ぶことが重要です。
ブランディングとマーケティング
商品デザインの方向性や世界観を明確にし、作家としてのブランドを意識することは、クリカットビジネスを長く続けていくうえで重要です。クリカットを使った商品制作は参入しやすい反面、似たアイテムが市場に多く出回りやすく、選ばれる理由が伝わらなければ埋もれてしまいます。
そのため、「どんな人に向けた商品なのか」「どんな価値や体験を届けたいのか」といった基本的なメッセージを整理しておきましょう。あわせて、Instagram(インスタグラム)やTikTok(ティックトック)など、注力するマーケティングチャネルを決めておくことで、発信内容に一貫性を持たせやすくなります。
制作の背景にある想いやコンセプトを伝えることで、価格だけで比較されにくくなります。その結果、継続的に支持されるブランドへと育てていくことが可能になります。
クリカットのエンジェルポリシー
クリカットのエンジェルポリシーとは、クリカット公式が提供するデザインやフォントを使って制作した作品の販売ルールのことです。
主なポイントは以下の通りです。
- Design Space掲載のaマークが付いたデザインを利用した作品は販売可能
- 年間の販売数量は合計で最大10,000点まで(1デザインごとではなく、デザインを使った作品すべての合計数)
- 販売場所に制限はなく、オンライン・オフラインのいずれでも販売可能
- 第三者の著作権を含むデザインは商用利用不可
- ボルドー色のCAP(コントリビューティングアーティストプログラム)マークがついたデザインは商用利用不可
クリカット公式のエンジェルポリシー全文(英語)で、細かい条件や最新版を確認できます。
クリカットマシンの種類
- Cricut Maker 3(クリカット メーカー3):シリーズの中で最も高性能なモデルです。革やバルサ材など、300種類以上の素材に対応しており、本格的な作品制作が可能です。
- Cricut Explore 3(クリカット エクスプローラー3):Maker 3のひとつ下のモデルで、マグネットシートを含む100種類以上の素材に対応しています。
- Cricut Joy(クリカット ジョイ):シンプルなプロジェクトに向いたコンパクトなポータブルマシンです。紙や薄手のプラスチックシートなど、約50種類の素材に対応しており、小物制作に向いています。
まとめ
クリカットを活用すれば、オリジナルの商品を制作し、対面販売からオンライン販売まで幅広い形で収益化を目指せます。趣味として続けてきたものづくりを、着実に利益につなげられる点が、クリカットビジネスの大きな魅力です。
一方で、安定した収益を得るためには、ハンドメイド需要のある商品を見極めたうえで、価格設定やブランディングといった物販ビジネスの基本を意識することが大切です。今回紹介したポイントを参考に、自分の強みやライフスタイルに合った形で、クリカットビジネスを検討してみてください。
クリカットビジネスに関するよくある質問
クリカットビジネスは稼げる?
クリカットで制作したハンドメイド作品を販売し、収益を得ることは十分可能です。安定して利益を出すためには、需要のある商品を選ぶことや、原価と作業時間を踏まえた価格設定などが重要です。
クリカットビジネスで売れるものは?
- 結婚式用グッズ
- ステッカーとラベル
- パーティー用品
- カスタムギフト
- アパレル
- 小物やアクセサリー
- クリカットデザイン
- ホリデークラフト
クリカットビジネスは在宅でも取り組める?
クリカットビジネスは在宅でも取り組めます。クリカットマシンは家庭用プリンター程度のサイズで、自宅で制作から梱包・発送まで完結できます。
クリカットのエンジェルポリシーとは?
クリカットのエンジェルポリシーとは、クリカット公式が提供する画像やフォント、デザインを使って制作した作品を、どこまで商用利用できるかを定めたガイドラインです。公式素材を使用した作品を販売する場合は、このエンジェルポリシーに沿って運用する必要があります。
文:Hisato Zukeran





