ビジュアルを重視するプラットフォームであるインスタで成功するには、コンテンツの見た目や雰囲気がオーディエンスの好みに響くことが欠かせません。そうでなければ、あなたの投稿はスクロールの中で見過ごされてしまうでしょう。
かつては洗練された美しさが勝ちパターンでしたが、今のユーザーはその常識を変えつつあります。現在のオーディエンスが求めているのは、多様性と本物らしさです。
この記事では、オーディエンスの心をつかむ、統一感のあるインスタフィードの世界観を育てる方法を紹介します。
インスタの世界観とは
インスタの世界観とは、Instagramのプロフィール全体から感じられる雰囲気やビジュアルスタイルのことです。アカウントに明確な世界観を持たせるには、統一感が大切です。そして、ブランドの個性や視点を一貫して表現するビジュアルのテーマやアクセントを活用します。
世界観は、投稿が並ぶグリッドだけにとどまりません。リール、ストーリー、インスタ広告の見た目も含まれ、ユーザーがひと目であなたのブランドだと結びつけられることが理想です。
インスタの世界観を実例に学ぶ
Instagramを通じて世界観を見事に伝えているブランドとして、Liquid DeathとHeyday Canning Co.の2社を紹介します。それぞれの手法を見ていきましょう。
Liquid Death
缶入りの水やノンアルコール飲料を手がけるLiquid Deathは、鮮やかな色使いと飾らないリールを通じて、近年インスタで人気を集めた大胆でユーモラスな世界観を取り入れました。
「世界で一番楽しいブランドって、実は体に一番良くないものだったりしますよね。ビール、エナジードリンク、キャンディ、ポテトチップスとか」と、Liquid Deathでクリエイティブ担当VPを務めるアンディ・ピアソン氏はShopify Mastersのエピソードで語ります。
「スポーツ中継の広告を見ると、いつもこういうブランドが一番楽しくてぶっ飛んだCMを出しているんです。だから僕たちは考えました。『そのエネルギーを、体に良いものに向けたらどうなるだろう?』とね。それこそが、Liquid Deathの本質なんです」
Liquid Deathのインスタフィードでは、パッケージデザインの延長線上にあるこの刺激的でエッジの効いた世界観が、パンクロック調のビジュアル、真面目すぎないコミカルなコンテンツ、そして作り込みすぎていないビジュアル素材を通じて表現されています。
Heyday Canning Co.
缶詰メーカーがInstagramで発信しているとは、あまり想像しないかもしれません。もし発信していたとしても、無難で実用的な内容だろうと思いがちです。ところが、缶詰豆ブランドのHeyday Canning Co.は、工業製品的でそっけない缶詰のイメージから脱却する動きを牽引しています。
「私たちは、ブランドをとても親しみやすくリラックスした雰囲気にしたかったんです。他の缶詰から感じるような、冷たくて堅苦しい企業っぽさは避けたかった」と、Heyday Canning Co.の共同創業者キャット・カヴナー氏はShopify Mastersのエピソードで語ります。「Heydayには、温かくて親しみやすい、食べ物に詳しい友達のような存在であってほしかったんです」
そのアプローチをInstagramのプロフィールで伝えるため、Heydayはカラフルな舞台裏のショットや、製品を使っている場面のクリップを取り入れています。こうした肩の力が抜けた自然なコンテンツが、我が家のように心地よいインスタの世界観をつくり出しているのです。
統一感のあるインスタの世界観をつくる方法
- ブランドガイドラインを見直す
- ターゲットオーディエンスを定める
- Instagramでのブランドの個性を決める
- 投稿の色を選ぶ
- 写真のスタイルを選ぶ
- コンテンツのムードボードをつくる
- Instagram用のスタイルガイドをつくる
- グリッドを設計する
- 世界観を幅広く展開する
既存のInstagramを刷新したい場合でも、新しいビジネスのインスタマーケティング戦略をゼロから始めたい場合でも、インスタの世界観を築く手順を紹介します。
1. ブランドガイドラインを見直す
インスタの世界観は、ブランドアイデンティティの延長線上にあるものです。うまくいっている世界観は、インスタのコンテンツと他のマーケティング素材との間に統一感を生み出しています。
まずは、ビジュアルスタイルガイド、ブランドボイスやトーンに関する資料、コアバリュー、ミッションステートメントなどを含むブランドガイドラインを見直すことから始めましょう。キーワード、イメージ、価値観を洗い出します。これらの情報は、後でインスタの世界観の枠組みを決める際に役立ちます。
2. ターゲットオーディエンスを定める
次に、ターゲットオーディエンスを特定します。Instagramの分析ツールを使えば、現在のフォロワーの属性を把握できます。
フォロワーを理解することで、彼らの好みに合わせてコンテンツや世界観を調整しやすくなります。例えば、オーディエンスの中心がZ世代の消費者であれば、この年齢層の投稿に多い明るく鮮やかな色使いを検討するとよいでしょう。世界観をオーディエンスに合わせることで、ユーザーはあなたのブランドに親しみを感じやすくなります。
Starfaceは、インスタフィードで明るい色を使ってZ世代に訴求する好例です。「私たちは、文化的な会話の一部であることに誇りを持っています。特に中心となるZ世代のオーディエンスに対してはそうです」と、Starface社長のカーラ・ブラザーズ氏はShopify Mastersのエピソードで語ります。
「私たちには、世界一かわいい看板キャラクター、ビッグ・イエローがいるんです」とカーラ氏は言います。ビッグ・イエローは、Starfaceのインスタフィードに頻繁に登場します。
3. Instagramでのブランドの個性を決める
ターゲットオーディエンスから得た知見をもとに、Instagramでのブランドの個性を定めましょう。ブランドの個性とは、企業の人間的な特徴をどう打ち出すかを端的に表したものです。
ブランドの核となる個性は変わりませんが、それをどう伝えるかはマーケティングチャネルごとに調整できます。カジュアルなコンテンツ、コミカルな動画、トレンドの音楽など、フォロワーがInstagramで何を求めているかを見極め、それが自社のブランドではどう表現できるかを考えてみましょう。
Set Activeの創業者リンジー・カーター氏は、Shopify Mastersのエピソードでこう説明します。
「まず何よりも、自分のブランドアイデンティティを理解し、それがすべてのSNSチャネルで一貫して伝わるようにしなければなりません。でも、各チャネルはそれぞれ違う個性を持っていてもいいんです。私は家族のようなものだと考えています。メールマーケティングは姉のような存在で、Instagramは、ちょっとイケてる年下のいとこ、みたいな感じですね」
4. 投稿の色を選ぶ
すべての投稿でカラーパレット全体を使う必要はありませんが、ブランドカラーを取り入れることで、企業とインスタフィードがつながります。一連の投稿で一色に絞ってみたり、色を切り替えて新しいコンテンツを打ち出したりするのもよいでしょう。
Kylie Cosmeticsは、新製品のマンゴーリップバターを発表した際、製品の温かみのあるピーチ調の色合いに合わせて、インスタフィードの色をピンクからオレンジへと徐々に変化させました。この変化が期待感を高め、投稿の色の移り変わりを通じてフォロワーにリップバターを紹介しながらも、ブランドの核となるInstagramの個性を保ち続けました。
5. 写真のスタイルを選ぶ
写真のスタイルは、インスタの世界観を確立するうえで大きな力を発揮します。Set Activeは、大学をテーマにしたコレクション「The Playbook」で、フラッシュを使って屋内で撮影した写真をInstagramのグリッドに並べました。フラッシュの使用がパーティーにいるような感覚を呼び起こし、コレクションの雰囲気とぴったり合っています。
アパレルブランドのSea, New Yorkは、レースをあしらったヴィンテージ調の服をデザインしています。ブランドが持つロマンティックな雰囲気を伝えるため、Instagramの写真では一貫してダークでムーディーなトーンと、物憂げなシーンにこだわっています。抑えた光、感情を漂わせる表情のモデル、ブルーグレーの背景といった共通のテーマに気づくはずです。
6. コンテンツのムードボードをつくる
ムードボードは、自分の「雰囲気」や世界観を明確にするのに役立つ、ビジュアルなブレインストーミングのツールです。作成にはいくつかのステップがあります。
- 例となる画像を選ぶ:ブランドカラーと調和し、インスピレーションを与え、ブランドを反映する画像を選びます。素材ライブラリ、検索エンジン、ストック画像ライブラリ、あるいは雑誌の見開き、心に響く木々、朝食のトーストとジャムまで、何でも構いません。この段階では、自分の心に語りかけてくる(なぜしっくりくるのかまだわからなくても)ビジュアルを見つけることがすべてです。
- カラースウォッチと並べてまとめる:デジタルのムードボードツールを使い、一歩引いてボード全体の世界観を確認してみましょう。集めた画像の多くが似た雰囲気を持っていることに気づくかもしれません。浮いているものを取り除き、全体の雰囲気が自社の個性と合っているかを確かめます。
- しっくりくる世界観のグループを見極める:ムードボードに統一感がなくても、慌てる必要はありません。画像を全体の雰囲気ごとにグループ分けし、ブランドを最もよく表す世界観のグループを選びましょう。
ムードボードができあがったら、それをInstagram投稿の着想地点として活用します。ムードボード内の画像に共通する要素を探し、それを再現してみましょう。
7. Instagram用のスタイルガイドをつくる
Instagram投稿の「やること・やらないこと」をまとめたスタイルガイドを作成します。色、フォント、写真のスタイル、フィルターの選択、ボイスとトーンの基準を書き留めましょう。完成したムードボードを、文章によるガイドを視覚的に補う資料として添えるとよいでしょう。
スタイルガイドには、使う予定の投稿タイプを明記したり、投稿頻度を定めたり、投稿のアイデアを盛り込んだり、あらかじめ用意したテンプレートへのリンクを載せたりできます。例えば、テキスト投稿(文字を含むグラフィック)を取り入れる場合、コンテンツの3分の1をこのタイプにすると定め、テキスト投稿用のテンプレートを2種類用意しておく、といった具合です。
8. グリッドを設計する
世界観のあるInstagramアカウントは、投稿の並び順を工夫して、見て心地よいプロフィールのレイアウトをつくり出しています。ユーザーが個人やビジネスのInstagramプロフィールを訪れると、最近のカバー写真がスクロールできるギャラリー状に表示されます。これが「グリッド」と呼ばれるものです。グリッドは横3枚の写真で構成され、テキストは含まれません。
世界観のあるグリッドをつくるには、一投稿おきにグラフィックと写真を交互に配置したり、視覚的なノイズを減らすためにミニマルな背景のグラフィックを選んだりするとよいでしょう。また、グリッドの設計機能を備えたSNS管理ツールを使えば、公開前にレイアウトを試すこともできます。
9. 世界観を幅広く展開する
世界観のあるInstagramは、フィードだけで完結しません。新しいブランドを反映するよう、プロフィール画像やインスタプロフィール文も更新しましょう。ストーリーを投稿している場合は、それらも全体の世界観と一貫しているか確認してみましょう。
インスタの世界観に関するよくある質問
世界観のあるインスタフィードのコンテンツはどうやって厳選すればいいですか?
次のヒントが、ブランドのコンテンツを厳選するのに役立ちます。
- ムードボードをつくる。
- 3~5色でInstagramのカラーパレットをつくる。
- カラーパレットを基準に写真を選ぶ。
- オリジナルの投稿テンプレートをデザインする。
照明はインスタ写真の世界観にどう影響しますか?
照明は、インスタ写真の雰囲気、彩度、色温度に影響します。暗い照明や影はドラマチックさを生み、温かみのある照明は活気にあふれ前向きな印象をつくり出します。寒色系の照明は、被写体や編集スタイルによって、落ち着いた雰囲気にも、物憂げな雰囲気にもなり得ます。
特定のカラーパレットがなくても、世界観のあるInstagramはつくれますか?
一貫したテーマを打ち出すために色数を絞るブランドもありますが、写真のスタイルなど、世界観を伝える方法は他にもあります。
世界観のあるInstagramを保つには、すべての写真に同じフィルターを使うべきですか?
すべてのInstagram写真に同じフィルターを使うのは、写真の編集に多くの時間をかけずに統一感のある見た目をつくる、優れた方法です。




